【バンドやろうぜ!楽曲考察】Dreamer、Desire、雨天決行ガムシャララ、Strange Party Nightの感想
ゲーマー姉弟の
64弟 (@64_oto)と、
64姉 (@64_ane)です。
クオリティが高いと思った、人気の女性向け音ゲーアプリの楽曲を聴き比べる企画第4弾。
今回は「青春」×「バンド」リズムゲーム『バンドやろうぜ!』の楽曲について研究しました!
【ご注意!】
これはあくまで音楽的な視点での評価です!
「わかってねえな~。この曲はこういう背景があるから良いんだよ」
などのご意見ももちろんあるかと思いますが、
単純に1つの曲として聴いた場合でレビューしています。
『バンドやろうぜ!』とは?
Aniplex×Sony Musicによる、本格的バンドサウンドのリズムゲームです。
楽曲だけでなく細かいSEも全てバンドの音になっていて、徹底的に「バンド」を楽しめるアプリです。
キャラはみんな男の子ですが、一応、乙女ゲームではありません。
前回紹介したアイナナと同じく、メインストーリーは豪華にフルボイスです。
メインの4バンドが、トップバンドを目指していろんな問題に立ち向かっていく熱いストーリーとなっています。
ギャグが多めで、「今なんて!?(笑)」と思わずスクショしたくなるような、
ツボに入る言い回しがひっきりなしに出てくる、テンションの高いシナリオです。
リズムゲームはノーツが多めで、そして判定が甘いので(笑)、ノリやすくて気持ちいいです。
プレイの楽しい音ゲー代表だと思っています!
楽曲レビュー
さて、今回のバンドやろうぜ!の楽曲は音楽オタクの弟にどう響くのか!
この企画、いつもは3曲に絞って紹介しておりますが、
バンやろはメインのバンドが4組なので、それぞれ1曲ずつ計4曲を選びました。
姉としては、どのバンドもボーカルが上手で、聴いていて気持ちよく、音も豪華な印象です。
『Dreamer』- BLAST
まずは、高校生バンド『BLAST(ブレイスト)』の熱いロックです!
※BLASTのメンバーはこちら。歌唱はボーカルの生田さんです。
ギター:巻 宗介(CV:増田 俊樹)
ベース:佐伯 翼(CV:山下 大輝)
ドラム:白雪 徹平(CV:石谷 春貴)
【公式視聴動画】
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大和くんの少し独特なこぶしと自然なビブラートが魅力的でクセになります。
学生バンド風(チョー上手いけど)の若さやひたむきさを感じる曲です。
イントロ
フィードバック奏法での入り、そこからのギターを主軸とした伴奏。ロックバンドらしい盛り上がるイントロです。
フィードバック奏法がわからないよ!
「シュォオオー」ってフェードインで入ってくる音のことです。
歪ませたエレキギターをアンプに近づけることで起きた共鳴(ハウリング)がこれです。
ハウリングって、カラオケでたまになるマイクのエラーみたいなやつですよね。
そうなんです。マイクのハウリングというとイヤな音の印象がありますけど、ギターのハウリングはカッコよくて逆に効果的なんですよ。
そしてギターについているボリュームノブを操作することで、フェードイン・フェードアウトを表現することができます。
ロックではよく使用するギターテクニックです。
Aメロ
イントロからうまく勢いを持ってきています。それでいてAメロらしい落ち着いた雰囲気を醸し出しています。
9小節目「無謀な抵抗だ〜って♪」からギターが「ジャジャジャジャ♪」と刻みだすので、疾走感があります。
そこ、ハモリも入って変化が強調されますよね。
また、2番では飽きさせないための工夫として、ディストーションやイコライジングといったエフェクトを取り入れたブレイクを設けています。
ブレイクっていうのは音が少なくなることでしたよね。
そうです。ディストーションというのは、まるでメガホンを通した音のような歪みの表現のことです。
イコライジングというのは、音域を削る加工のことです。ここの場合は高音域を削って、音をこもらせています。
Bメロ
ところどころにアクセントを置くことで展開感を生んでいますね。そこからのブリッジ「挑むから〜♪」からサビへの期待が最高潮に達しています。
「足下に気を付けろ〜♪」っていう歌詞でサビに入るのって面白いと思います。
サビ
力強さが伝わってくる、ヴォーカルメロディと歌詞です。この疾走感気持ちよいですね。アグレッシブに歌っていたのに、「今でも〜信じて止まない〜♪」の部分は、トーンを下げて叙情的な歌い方になっています。
ボーカルもこのギャップをかなり意識して歌っていると思います。
聴かせ方が上手!
そのようにして一旦下げた後、「Never forget♪ what I'm fighting for♪」からのまた盛り上がるパートがとてもいいですね。
ライブではここが特に盛り上がりそうですよね!
楽器群もよくまとめられていて疾走感といい、心地よく聴けるサビです。
アウトロ
イントロで使用したものを踏襲して持ってきています。最後まで統一させた疾走感を感じさせてくれる曲ですね。
まとめ
なんといっても力強く疾走感のある曲調とヴォーカル。このストレートでエモい感じ、堪らないですね。
ライブでも安定した盛り上がりを見せてくれる曲だと思います。
評価 |
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『Desire』- OSIRIS
次に、成人済みメンバーで構成された『OSIRIS(オシリス)』による、クールで大人っぽい楽曲です。
※OSIRISのメンバーはこちら。歌唱はボーカルの小林さんです。
ギター:レイ・セファート(CV:花江 夏樹)
ベース:来栖 真琴(CV:内田 雄馬)
ドラム:小金井 進(CV:梅原 裕一郎)
【公式視聴動画】
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ビジュアル系な雰囲気で、かなり本格的ですよね。
実はボーカル以外の3人の声優さんも歌唱力に定評があるのですが、本職の小林さんはさすが上手すぎます。
イントロ
サビ始まり、最初から曲のイメージを固めてきています。最初から盛り上げていく手法でもあります。
入り方がシンプルで掴んでくる!
ライブなんかではこの瞬間に観客が湧き上がるのが目に浮かびます。
Aメロ
疾走感を生み出す高速のギターバッキングと、安定したヴォーカルメロディ。そして9小節目の手前「(支配〜し)ていく〜♪」からドラムや他のギターが加わることで、展開感を見せてくれます。
そこいっきに音圧が高くなりますね。
最初は左からしかギターが聴こえないし、控えめな演奏だったのに。
2番ではピアノ演奏のみのブレイクを設けることで、また変わった印象になってますね。
Bメロ
中音域を担当しているスネアドラムが消えることで、このBメロ特有の叙情的な雰囲気を助長させています。そして雰囲気そのままで自然なブリッジへと移行しています。
サビへの期待が膨らみますね。
サビ
イントロで既に聴いていますが、メロディの良さを改めて感じさせてくれますね。タイトルでもある「Desire」の部分をファルセットで歌うことで、美しく彩っていています。
そこはファルセットで歌うように狙って作られてますよね。
ヴィジュアル系らしいボーカルメロディだなぁ!
この疾走感やっぱ心地良いわ〜。
間奏
2番のサビの後ではなく、その手前のBメロの後にもってきていますね。2番でサビを歌った後に間奏をもってきてしまうと、間奏までくるのに3回もサビを歌ってしまうことになるので、クドく感じちゃうんですよね。
この曲はちょうど欲しい時に間奏がきてくれてるってこと?
そういうことです!
そしてこの間奏では、ヴィジュアル系特有のドンシャリ気味の長めのテクニカルなギターソロが魅せてくれますね。
ドンシャリって初めて聞きました。
低音域(ドンッ)と高音域(シャリッ)を強調させた音のことです。
メタリックな印象になります。
Cメロ
決して今までの流れを邪魔しない雰囲気とボーカルメロディです。大サビへと持っていくための潤滑油といった役割ですね。
そしておなじみ、「トゥルルトゥルルトゥートゥトゥ♪」が聴こえてきてサビに入るんですね〜!
アウトロ
最後までギターのソロが魅せてくれます。妥協を感じない作り込みですね。
まとめ
ヴィジュアル特有のメロディアスなヴォーカルや、雰囲気漂う曲調と歌詞、飽きさせないための完成されたセクションといい、エース曲としてライブで盛り上げてくれそうです。
評価 |
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『雨天決行ガムシャララ』- Fairy April
少しおっとりしたカワイイ男の子グループ『Fairy April(フェアリーエイプリル)』の曲です。
※Fairy Aprilのメンバーはこちら。歌唱はボーカルの蒼井さんです。
ギター:七瀬 一真(CV:石川 界人)
ベース:徳田 吉宗(CV:山本 匠馬)
ドラム:藤堂 美郷(CV:小林 裕介)
【公式視聴動画】
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歌の上手な声優として有名な蒼井翔太さん。
フェアエプの個性的な楽曲がその中性的な歌声にぴったりです。
イントロ
キメを使ったヴォーカル入りという挑戦的なスタート。そこからの高速カッティングギターを主軸とした伴奏は、なんとも賑やかな感じです。
このギター、耳に残る音だよね。
このギターは実際に弾くとなるとかなりむずかしいと思います。
全体的に真剣で一生懸命な感じが伝わってきます。
Aメロ
賑やかなイントロとは対照的に、落ち着いたAメロらしい雰囲気。そこに乗っかるメロディもいいですね〜。
4小節目のキメ「ゴロッゴッロと♪」によって、メリハリが生まれています。
歌詞もなんだか気になる感じですよね。
耳を傾けようとしちゃいます。
Bメロ
コードが多く動くことと、スネアドラムの音が入ることでAメロと差別化がとれています。伴奏の変化は控えめ。
代わりにボーカルはハモリが付いて、ノリも生んでいるので、歌のほうは変わった感があります。
展開のある歌詞も注目させてきますよね。
サビ
疾走感すごいですね。全てをさらけ出している感じです。
盛り上がるメロディ、韻を踏んだ歌詞。これは耳に残る中毒性のあるヴォーカルですね。
8小節目と16小節目のキメもまた、メリハリを生んでいます。
見せつけろ♪(ジャンジャンジャ! ジャンジャンジャ!)
ホントこのキメがまた地面を蹴ったような加速感を生んでますね!
間奏
前半8小節の間奏では、ハーフテンポのリズムに、そこに乗っかるロングトーンを意識したギターソロ。そして9小節目からの動き出すリズムと、テクニカルな演奏に切り替わるギターソロ。
リピートしちゃいます。
大サビ
最後を転調で飾っていますね。大サビらしい、ここ最後の盛り上がりを見せています。
そしてアウトロを設けずに、キッパリ終わらせる感じ、逆にこれは視聴者に余韻を残していきますね。
それにしても、ボーカルが上手でリズム感がバッチリですよね。
早口のところも丁寧に歌いこなしていて、結構難しい曲だろうに全く飲まれていない。さすが!
まとめ
疾走感の中を、懸命さを感じるヴォーカルが歌い切っていてかっこいいです。そしてサビのメロディはキャッチーで中毒性があるうえ、何度も繰り返されるので耳に残ります。
落ち着かせるところは落ち着かせて、盛り上げるところは盛り上げる。このメリハリが心地よいですね。
評価 |
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『Strange Party Night』- Cure²tron
ガールズバンドかと思いきやメンバー全員が“男の娘”である『Cure²tron(キュアキュアトロン)』からハロウィン曲を。
ポップでキュートなテイストが特徴です。
※Cure²tronのメンバーはこちら。歌唱はボーカルの黒沢さんです。
ギター:シェリー(CV:田野 アサミ)
ベース:ユキホ(CV:湯浅 かえで)
ドラム:ミント(CV:村川 梨衣)
【公式視聴動画】
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キュアトロは、みんなカワイイ女装男子だけれど、
ボーカルのマイリーだけは女装に抵抗があるという面白いストーリーでおすすめです。
イントロ
歪ませたオルゴールの音色が怪しげで奇妙な雰囲気を誘っています。2拍目と4拍目のギターとハイハットのリズムについ、体を揺らしてしまいます。
ハイハットっていちばん高いシンバルみたいな音ですよね。
Aメロ
イントロの伴奏を踏襲したバックに、これまた怪しくもメロディアスなヴォーカルが乗っています。Aメロの後に間奏があるのも、迷い込ませてくる感があっていいよね。
Bメロ
Aメロと大差がない音色なので展開としては薄いのですが、この後にCメロがあるので、このセクションはあくまでAメロをサポートさせるためのパートといったところでしょうか。Cメロ
変拍子(3拍子?)がゆらゆらとした浮遊感を生み出していますね。酔っちゃいそうなロマンチック感もありますよね。
ここは少し複雑でして、「物語を♪」の部分はまだ4拍子で、
3拍子となるのは「飛〜び出した〜ような♪」からになります。
しかも「ファンタスティック♪」からはまた4拍子に戻りスローテンポになるという、高度な技術を使っています。
サビ
音がまとまっていてサビらしい充実感です。そして今までの怪しさもしっかりと持ってきていますね。
タイトルのとおり夜のパーティって感じだよね。
ヴォーカルメロディもいいですね、この曲の独特な世界観を改めて感じさせてくれます。
バイオリン? ヴィオラかな? 今までになかったシンフォニックな音が加わることで、サビらしい音の広がりを感じます。
間奏
前半のシンフォニックな間奏はまるでファンタジーの空間ですね。引き込まれそうです。そして後半はバンドサウンドに戻ってきます。
ストーリーと展開観を感じられる間奏ですね。よく作り込まれています。
というかこれだよ! このあいだ書いた『ボイきら』の『Black Black Love』のギターソロ前に欲しかったものは!
あーこういう感じか〜確かに!
そしてこの後の大サビでは声を張り上げたような歌い方に変わっていますね。ここが気持ちいい!
アウトロ
イントロで使用したものを持ってきて締めくくっています。最後まで曲のコンセプトをしっかりと固めています。
まとめ
おとぎ話の怪しい面をコンセプトとした特徴的な雰囲気といい、歌詞といい、なんとも魔法をかけられた気分に浸らせてくれます。そして少しあどけないような味のある歌声が、この曲調にとてもマッチしています。
ただ、この曲は本来のバンドサウンドとは違って、多数の楽器を使っているため、多彩な色の曲になってます。
評価 |
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総合評価・まとめ
総合評価 |
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バンドサウンドといえど、ポップロックやハードロック、ヴィジュアル系とたくさんの世界があるので、
それぞれの味をいかんなく、味わえるアプリだと思いました。
いいなあ、バンド。
それぞれの練習してきた音をライブで合わせる瞬間、気持ちいいんだろうなぁ……。
ここまで読んでくださってありがとう!
バンやろはゲームと並行して、実際のリアルライブイベントもたくさん行われています。
既存アーティストのカバーも多く「オシリスのラルクが聴けるなんて!」という興奮も味わえます。
次回は『ツキノパラダイス。』の曲を考察します!
最後まで読んでくださってありがとうございます!