【ボイきら楽曲考察】Black Black Love、モノグラム、I Wanna Knowの感想
ゲーマー姉弟の
64弟 (@64_oto)と、
64姉 (@64_ane)です。
クオリティが高いと思った、人気の女性向け音ゲーアプリの楽曲を聴き比べる企画第2弾。
今回は50人の攻略対象と遊ぶ、学園青春リズムゲーム『ボーイフレンド(仮)きらめき☆ノート』の楽曲について研究しました!
【ご注意!】
これはあくまで音楽的な視点での評価です!
「わかってねえな~。この曲はこういう背景があるから良いんだよ」
などのご意見ももちろんあるかと思いますが、
単純に1つの曲として聴いた場合でレビューしています。
『ボーイフレンド(仮)きらめき☆ノート』とは?
先日、アプリリリースから半年を迎えたボイきら。
このブログでも過去に特集記事を書いていて、非常におすすめしている神アプリです。
gamestart.hateblo.jpgamestart.hateblo.jp
もともと『ボーイフレンド(仮)』という恋愛シミュレーション型ブラウザゲームが2013年12月13日に配信されていました。
そのキャラクターソングで遊べるリズムゲームということで、
『ボーイフレンド(仮)きらめき☆ノート』(通称『ボイきら』)が2016年11月15日にリリースされました。
後ろで踊るかわいいキャラクターを眺めながらキャラソンをリズムにあわせて叩く音ゲーです。
攻略対象(カレ)たちのコスチュームを集めることで、
そのキャラと会話したりして遊ぶことができます。
また、各カレたちとの恋愛ストーリーを読むモードも充実しています。
乙女ゲームと謳っておきながらそのノルマを達していないような、
「こいつら恋愛する気ないな?!」といった女性向けアプリも多いですが(笑)、
ボイフレ・ボイきらはしっかりしていて、ストーリーに力が入っていると思います。
楽曲レビュー
さて、今回のボーイフレンド(仮)きらめき☆ノートの楽曲は音楽オタクの弟にどう響くのか!
姉としては、どの曲もキャラソンとしてクオリティが高いと思います。
各キャラクターのイメージを上手~く曲に落とし込んで掘り下げていて、世界観が完成されてるな~と!
キャラが多くてしかもみんな濃いので、絞るのは難しかったのですが、
姉が特に「いいな」と思っている3曲を弟に聴かせて、それぞれ評価してもらいました!
今回もはりきってパートごとに研究してくれました。
『Black Black Love』- 周 圭斗(CV:立花 慎之介)
まずは、ド天邪鬼で陰気な男の子、周くんのキャラソンです。
この曲は現時点ではまだボイきらには実装されておらず、
ひょっとしてラスボス曲なのか? と私は疑っているんですけど……。
【視聴動画】※サビだけ聴けます。0:37までです。
www.youtube.com
※フルバージョン・CD情報はこちら
ゲーム内でこの曲が叩けるのをずっと楽しみに待っています!
【6月11日追記】
6/12 15:00からの「きらめき Show Time♪ ◆雨の芸術祭編◆」イベントにて、
この曲がゲームに登場するという発表が本日ありました! やったー!
イントロ
ピアノとベルの高音がキラキラしつつも、暗くて怪しい雰囲気を醸し出してますね。イントロから掴んでくれます。
ゴシック系のキャラである周くんの雰囲気を上手く表現しています!
Aメロ
前半の8小節はピアノを主軸にしていて静か。次の8小節では「ジャジャジャジャッ♪」と歪んだギターを刻んでいます。
静と動のメリハリがあって良いですね!
2番も同じく、ピアノ主軸・ギターの計16小節です。
個人的なのですが、ここはギターの8小節のみにして、すぐにBメロに行って欲しかったところです。
でもそこの歌詞が貴重なデレの部分なので、外せないんですけどね〜
Bメロ
ここで曲調が3拍子のワルツ調になります。「おっ!」となるような高度な工夫ですね。
私、拍子とかあんまり分かってないんですけど、こういうのってどうやって3拍子だって分かるんですか?
小節とかと関係あるんですか?
どこからどこまでが1小節? 数え方と4拍子・3拍子について図でカンタン解説!
前回も連呼していた『小節』というワードですが、その定義についてここで説明させてください!
楽譜で見た時は、こんな風に区切ってあるので分かるんですけど。
ソラで曲聴いた時に、「5小節目が〜」って言われても、どこのことか分かんないです。
カンタンな数え方は、曲に合わせて手で指揮をしてみることです。
指揮が難しかったら、手拍子で4回叩いたところまでが1小節です。(※4拍子での場合)
たいていの曲は4拍子だと思っていいんですよね?
そうです! まずは4拍子で数えてみて、ズレてるなって思ったら3拍子を試してみてください。
この『Black Black Love』では、イントロからAメロまでは気持ちよく4拍子の指揮に合うのに、Bメロになった途端ズレてくるハズです。
ホントだ! このBメロは3拍子の指揮に変えてみるとキレイに合う!
3拍子の有名な曲というと、『千と千尋の神隠し』の主題歌『いつも何度でも』があげられます。
J-Popではあまり見かけないかもしれませんが、民族音楽やゲームミュージックにはよく見られますね。
あ、ちなみにワルツは絶対に3拍子ですよ。
サビ
そしてサビで4拍子に戻ります。その効果でサビにカチッと安定感出てますね〜最初の4小節はサビのメロディーとしては弱いかな?と思いますが、その後の「ああ Black Black Love♪」の部分はメロディアスで不思議な中毒性がありますね。
つい口ずさみたくなります。
そこボーカルも上手だし、うっとりするよね。
同時にギターが細かく刻みだすので、その加速感もまた中毒性を生み出している気がします。
最初の4小節にあえて弱いメロディを持ってくることでメリハリが効いているのかもしれません。
なるほど、溜めといてからふくらませる感じですね!
このあたりの計算なんかは、作曲の深くて面白いところです。
いやあ良いサビだぁ……
間奏
サビのメロディを意識したテクニカルで心地よいギターソロですね。ここのギターはすごくカッコいいよね。
でも実を言うと、ここは個人的にマイナス点だったりします。
サビが終わったらすぐにそのサビメロをなぞったギターソロが入ってますけど、僕はサビとギターソロの間に、何か置いたほうが好きです。
例えばピアノを主軸とした3拍子の怪しい雰囲気の8小節とか。
なるほど、ちょっと静かなのを入れた後にこのギターソロが入ってきたほうが、より盛り上がりそうかもですね!
ちょうどここに合いそうな間奏が、『バンドやろうぜ!』の『Strange Party Night』にありましたよ!
ぜひあわせて聴いてみてください!
アウトロ
イントロで使った伴奏を持ってきていますね。曲の統一感を出すのに良い手法です。
まとめ
ボーカルの甘い声はこの曲調にとてもマッチしていて良いですね。ワガママな感じやちょっと重めな歌詞といい、怪しい曲調にとてもマッチしていています。
サビのうっとりするメロディ「ああ Black Black Love♪」は必聴です。
評価 |
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『モノグラム』- vanitas
次はゲーム内に登場する人気インディーズロックバンド『vanitas』の曲です。
※歌っている声優さんたちはこちら。
コーラス:
新海 凛十(CV:小野 友樹)
音琴 嵐(CV:森久保 祥太郎)
渡世 千里(CV:島﨑 信長)
【視聴動画】※Bメロの途中~サビ~2番のAメロの途中まで聴けます。
www.youtube.com
※フルバージョン・CD情報はこちら
ボーカルは歌うま声優さんとして有名な宮野真守さんです。
コーラスの3人も全員歌が上手なんですけどね。
ちなみに作詞はカリスマボーカルの加賀見先輩、作曲は天才ベースの渡世くんが担当しているという設定です。
イントロ
カットオフをいじった上昇感のあるノイズと、濁ったシンセベースの組み合わせがイカしてますね。全然何言ってるか分かんないです。
カットオフのノイズというのは徐々に音が高くなっていく「シュンシュンシュッ♪シュンシュンシュッ♪」という音です。
濁ったシンセベースというのは「ヴォ〜ンヴォン…ヴォンヴォ、ヴォ〜ンヴォン」と低い音で鳴ってるやつです。
楽器群が入ってくる続きの伴奏も、爽やかな疾走感があって気持ちいいですね。
Aメロ
安定感のある落ち着いたメロディ良いですね。それに反してベースが「ベンッベンッ」とスラップ奏法をしていることで引き締めている気がします。
スラップ奏法っていうのは、「ボーン♪」と弾く普通のストロークとは違うんですか?
指を弦を叩きつけるように弾くことで、アクセントつける奏法です。
ベースの上級技で、これを習得することが出来ずに諦める人が多いくらい難しいです。
さすが、渡世くん。
Bメロ
楽器群のフレーズは変わらないのですが、Bメロらしいメロディラインが展開感を生んでいます。最後のスラップベースのみのブレイクはサビへの期待を膨らませてくれますね!
ブレイクは音が消えたり静かになる部分のことでしたよね。
サビ
今までのAメロ・Bメロが静かだったぶん、「Time wasting♪ chase it feels♪」部分の爆発力は爽快ですね。豪華なハモりも入ってて、「キター!」ってなるね。
楽器群の弾け具合や、シンプルで安定したフレーズの演奏によって、サビらしさを感じさせてくれます。
そしてサビ終わりの「そう 扉を閉じて恐れた日々に〜♪」のプラスアルファによって、勢いのあったサビを叙情的に締めくくってくれています。
確かにここがあるのがいいよね。
ボーカルメロディも良いですね〜、僕好み!
間奏
「この雰囲気ギターソロとかありそう」と思ってましたが、実際はないんですね。激しいサビの後のこの静かなセクションの存在は、曲にメリハリをつけていて心地よいですね。
こういう休憩って癒やされます!
Cメロ
間奏から自然とCメロへと移行しています。大サビへの期待が高まります。
休憩した後に、少しずつ歩き出していくって感じ〜
アウトロ
イントロでも使用した伴奏を持ってきていますね。曲を固めてくれる締め方です。
まとめ
テクニカルな楽器群といい、ヴォーカルの歌唱力も相俟って曲のクオリティ、かなり高いです。決意表明のような力強い意味を含んだ歌詞。それを爽やかな曲調に乗せているのと、宮野さんの歌声が曲調にマッチしていてとても気持ち良いです。
ただ、曲を通して聴くとイントロとアウトロの、濁ったシンセが場違いな気がします。
そこだけ聴くとカッコいいけど、曲全体で考えると個人的にこの音はいらなかったかも。
評価 |
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『I Wanna Know』- キッチン・ズエ組と文学青年
最後に持ってきた曲は、姉がハマりすぎて「これ1曲だけで3か月は生活できるかも」と思っているオススメの1曲です。
※歌っている声優さんたちはこちら。
奥結 望(CV:入野 自由)
堤 誠志郎(CV:諏訪部 順一)
【視聴動画】※Bメロの途中~サビ~間奏だけ聴けます。
※フルバージョン・CD情報はこちら
うーんやはり中毒性がすごいな。
この曲好きな方は多いと思うんですが、弟に言わせるとどうなんでしょう?
イントロ
「キニュキニュ♪」とワウの効いたギターとブラス、それと途中から入るオシャレなコーラスフレーズは、ハイカラな雰囲気を生んでくれてます。「パララパッパッパッパ〜♪パララパッパッパッパ〜♪」が頭から離れません。
いやぁ、このイントロは完成度高いですね。
Aメロ
短めで単調なヴォーカルメロディにしているのかもしれないけど、このオシャレなバックであれば、さらに良いメロディがありそう。
1番のAメロというと、16小節ありそうなイメージなのですが、この曲は8小節でBメロに移行していますね。
なるほど〜、テンポ良くどんどん展開していく感じですね。
Bメロ
Bメロらしい展開感といい「孤独な〜夜も〜♪」のヴォーカルメロディはクセになります。それを助長させてくれる、相変わらずハイカラな伴奏もグッドですね。
揺れるような諏訪部さんの歌い方が、ウットリとした雰囲気に酔わせてくれますね。
2番だと入野さんのパートになってますが、こちらも甘い感じですね。
どちらもアルコール入ってますね(笑)
ブリッジ
1小節で1人づつ代わるヴォーカルパート「隠せない想いなら〜♪」「いっそ吐き出したい〜♪」「あんたを俺だけのモノ〜にした〜い♪」と、1拍ずつ「ドンドン♪」と打っているバスドラムによって、サビへの推進力が伝わってきます。「俺だけのモノ〜にした〜い♪」のところでボーカルはウットリ伸ばすのに、後ろのドラムは「ドュドュッドュドュッ!ドュドュッドュドュッ♪」ってだんだん盛り上げていくそのギャップが好きです。
そこの激しくなるドラムは『フィルイン』といって、次のセクションへの勢いを生ませたい時によく使います。
サビ
今までの音をキレイにまとめた感じがします。安定感も抜群ですね。
「恋しているよ〜♪ 僕は愛しているよ〜♪」のヴォーカルは泣きメロ感をまとってるよね。ハモりもキレイだし。
そうですね。全体的にオシャレかつ、泣きを含んでいるので聴いていて飽きないです。
間奏
テクニカルなギターソロですね。聴いていて心地よいです。私これ踊っちゃうwww
ペンタトニックスケールを意識した盛り上がるフレーズかつ、オシャレなメロディラインを良い塩梅でなぞっています。
スケールって使う音リストってことですよね?
ペンタトニックスケールだとどうなるんですか?
カンタンに言うと、「ドレミファソラシド」の「シ」と「ファ」を除いた「ドレミソラ」のみを使っています。
それってどうやって分かったんですか? 絶対音感?
雰囲気で結構分かるようになるんですよ。
なんというかロックンロールな感じになるので分かりやすいんです。
アウトロ
フェードアウトで終わらせていますね。いつまでも終わらせたくないという気持ちを表現している気がします。
それと聴き終わった後の余韻を楽しませてくれますね。
ライブの際はこのフェードアウトをどうアレンジするのか楽しみです。
まとめ
キレイなイルミネーションに彩られた夜の都会が場面として浮かびあがります。音数が多いというのに、キレイにまとまっています。
ボーカル3人の声の系統が違うのに、相性がよくていいなぁと思いました。
寺島さんはストレートで突き刺すような歌声。
入野さんのフワッとやらかくて甘い歌声。
諏訪部さんの大人っぽいワイルドな歌声。
それぞれが、オシャレな雰囲気にマッチしています。
最初から最後まで通して完成された曲でした。
音楽業界に出回っているアイドル曲なんかよりも完成度高いんじゃないかと思いました。
評価 |
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満点きたー!!
総合評価・まとめ
総合評価 |
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歌唱力が高く、しっかりと作り込まれた曲ばかりでした。
多彩な世界観の曲が多く、このアプリだけで十分に満足しちゃいます。
ここまで読んでくださってありがとう!
今気づいたのですが、選曲がKing属性のキャラクターの歌に寄ってしまいましたね……。
ボイきらは、楽曲といいキャラクターといいストーリーといい絵やデザインも全て、
どこに出しても恥ずかしくないクオリティのゲームだと思います。
ボイきらの図鑑のようなWikiサイトもあるので、これを参考に始めてみてはいかがでしょうか? おすすめです!
次回は『アイドリッシュセブン』の曲を考察します!
最後まで読んでくださってありがとうございます!